2013年6月24日月曜日

金属探知機の作り方(1)

今年(2013年)5月の「親子で電子工作@子供の家」で作って頂いた「金属探知機」の作り方を紹介します。

これまでの私の作品の多くは、動作の大部分をマイコンのプログラムに任せて、回路は簡単なデジタル動作の回路だけ、という構成でした。しかし、今回は、アナログ的な動作の回路も含んだ、比較的複雑な回路構成になっています。

せっかくですので、ちょっと難しいですが詳しく説明させていただきます。

金属探知機の作り方はインターネットで検索してみると、たくさん見つかります。

・村田製作所「電子工作探偵団
・momo3さん(?)「金属探知機の製作」

基本的な動作原理はどれも同じです。ちょっと専門用語が入って難しくなりますが、次のようなしくみです。

・エナメル線を直径5cmくらいのリング状にグルグル巻いて探知用のコイルを作る
・探知コイル(L)にコンデンサ(C)を接続し、LC共振回路を作る。
・そのLC共振回路に何らかのアクティブ回路を接続し、LC発振回路を作る。
・探知コイルに金属を近づけるとコイルのインダウタンスが変化し、発振周波数が変化する。
・この発振周波数の変化を何らかの方法で検知して金属を探知する。

この動作原理の中の、LC発振回路の方式と、発振周波数の変化を検知する方式の違いで、何種類かの方式があります。

私が採用した方式は次のとおりです。

LC発振回路: コンパレータを使ったフランクリン発振回路
発振周波数検知: マイコンによる周波数カウント方式

発振回路としてフランクリン発振回路を選択した理由は、私がよく使っているPICマイコンに内蔵されているコンパレータを利用できるからです。
PICマイコンの内蔵コンパレータを使ったフランクリン発振回路のアイデアは、やはりいくつかのサイトで紹介されています。ただ、金属探知機に応用されているものは見つかりませんでした。

・「LC発振(PIC内蔵コンパレータ使用)
・nobchaの電子回路日記「PIC16F648AでLCメータ試作(内蔵コンパレータ使用)

私の回路の中の、発振回路部分の回路図は次のとおりです。

この回路の中のコンパレータはPIC内蔵のコンパレータです。さらに、真ん中あたりの、電源電圧を2分割している抵抗分圧回路(R(DAC)=80kΩ)も、PIC内蔵のDACを利用しています。

このように、PICの内蔵モジュールを利用することで、使用する部品数を削減し、全体として作製する回路を簡単にしています。
 そんなわけで、全体の回路図はこちらです。
私がwebで調べて限りでは、最もシンプルな回路構成の金属探知機ではないかと自負しています。


使用している電子部品はこちらです。
マイコンPIC16F1823
LED赤または黄、計4個
圧電スピーカーPKM13EPYH40000-A0
抵抗470Ω×4本
100kΩ×2本
コンデンサ
(セラミック)
1000pF×1個
1μF×2個
タクトスイッチDTS-6
エナメル線φ0.3×10m
ブレッドボードEIC-301など
電池ケース単3×2本

ブレッドボードの配線図はこんな感じです。


探知用のコイルは直径0.3っm程度のエナメル線(ポリウレタン銅線)長さ約10mを、直径5cm程度のリング状にグルグルと巻いて作ります。このコイルの作り方などについては、次回、」「金属探知機の作り方(2)で説明させて頂きます。

完成品はこんなのです。



マイコンのソフトはこちらです。
金属探知機のマイコンのソフト

今回のソフトの開発は、MicrochipのMPLAB Xを使っています。コンパイラはXC8です。


<使い方>
タクトスイッチを押すと電源が入ります。そのまま、金属に近づけない状態で、じっとして数秒待ちます。すると、電源LEDが点灯します。
この状態で準備完了です。
金属に近づけると、音が鳴って、探知LEDがいくつか点灯します。
金属の検知度合いが強いほど、音が高くなり、探知LEDが多く点灯します。
タクトスイッチを押すと、電源OFF(スリープ)です。

<注意>
このページで紹介している金属探知機の作り方は、部品を買い集めただけでは作れませんのでご注意下さい。マイコンへのプログラムの書き込みが必要になります。


(2013/8/9追記)
回路図が間違っていましたので修正しました。



にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へにほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ
↑最後まで読んでいただいた方はこちらのリンクをクリックしてランキングにご協力下さい。

2013年6月22日土曜日

親子で電子工作@子供の家 7月のご案内

2011年11月から毎月開催している「親子で電子工作教室@子供の家」です。
7月の開催予定をご案内致します。

内容は、このブログで紹介しているような簡単な電子工作です。半田つけなしで、部品をブレッドボードに挿していくだけで電子回路が作製できます。電子回路を作る電子工作の要素と、図工的な工作の要素とを組み合わせて、自分だけのオリジナル作品を作っていただきます。

いつも書いておりますが、
一 応、工作教室と言ってはおりますが、どこかの団体が主催しているようなきちんとした工作教室ではなく、個人で運営している「工作サークル」のようなもので す。いつもドタバタ運営で、皆様のご協力で、なんとかやらせて頂いておりますので、初めてご参加の方は、そのあたりの事情をご理解頂いた上で、ご参加のほ ど、よろしくお願いします。

7月の予定は次のとおりです。

◆日時:7月6(土)10:00〜(12:00頃)
◆場所:月見ヶ丘子供の家
    阪急桂駅から西へ徒歩約10分
◆対象:小学生の親子
    (原則、親子で参加、高学年は子供だけでも可)
◆参加費:1回500円+材料代(1セット)700円
    ※2人目のお子様は参加費200円+材料代
◆定員: 約10組
◆テーマ: エレキ・カリンバ
◆レベル: 上級
◆持ち物: ドライバー

◆内容:
カリンバ」は「親指ピアノ」とも呼ばれるアフリカの楽器です。
音を出す「キー」は、本当は金属の棒で作りますが、今回は簡単にするために竹の棒で作っていただきます。

「エレキ」じゃなくても、十分楽しめる楽器になるのですが、ここは一応「電子工作」の会ですので、中に電子回路を入れて「エレキ・カリンバ」にしてみました。

下の写真は、牛乳パックを使った小型のスピーカーを接続したものです。
ただ、これだと「エレキ」な感じがちょっと薄かったので、もう1つのバリエーションとして、家のテレビに接続して、テレビのスピーカーから楽器の音が聞こえるようにできるものも用意しました。
やっぱりテレビのアンプとスピーカーの方が大きなきれいな音が出るのでおもしろいです。
子供的にはこちらの方が楽しくておススメですが、お父さんお母さん的には、「うちの高価なテレビに変なものを接続されるのはイヤ!」 ということもあると思います。

「小型スピーカタイプ」か、「テレビ接続タイプ」か、どちらを作るか、お申込み時にご選択下さい。




★☆ ★☆ ★ 参加申し込み方法 ★☆ ★☆ ★

申し訳ございませんが、今回は新規の方の参加は受け付けておりません。
6月24日時点で、あと1~2名分の空きがあります。
参加ご希望の方は<こちらのメール>に、下記の内容を記入してお送り下さい。
(ただし、メール頂いたタイミングによっては既に定員になっている場合があります。
ご了承ください。)

・お子様のお名前、学年
・保護者のお名前
・ご連絡先(メールアドレス)

※連絡先が携帯メールの方は、こちらからのPCメールが受信できるように設定をお願いします。
gmailからご連絡させていtだきます。

お申し込みはこちら
※ご質問なども、このメールへお願いします。

これまでにご参加頂いた方につきましても、6月21日にて一旦締め切りとさせて頂きましたが、若干余裕があるかもしれませんので、ご希望の方はお問い合わせ下さい。


 ★☆ ★☆ ★ 今後の予定 ★☆ ★☆ ★

日程テーマレベル
7月6日エレキ・カリンバ(楽器)
9月14日ねんどで回路を作ろう
10月5日ヌメロン・マシン(仮)
中〜高
11月9日ブレッドボードで遊ぼう
12月7日光る星座盤(仮)
※日程、テーマは変更になる場合があります。
※材料代は内容によって500円〜1000円程度となります。
※参加者の多い樫原小学校など、桂周辺の小学校の行事とは、なるべく重ならないようにしたいと思っていますので、行事日程の情報があればご連絡下さい。


にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へにほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ
↑最後まで読んでいただいた方はこちらのリンクをクリックしてランキングにご協力下さい。

2013年6月15日土曜日

6月の「親子で電子工作@子供の家」開催しました

本日、6月15日「親子で電子工作@子供の家」を開催しました。

今日は朝から蒸し暑かったのですが、クーラーのない会場に、みなさん集まっていただきました。
暑いから、というわけではありませんが、今回は比較的少ない人数だったので、ゆったりとすすめさせていただきました。


今回のテーマは「テクノ手芸 第2弾:LED in チクチク羊毛フェルト」です。

今回はブレッドボードを使わずに、簡単な回路を作ります。今回、人数が少ないということで、初の試み、ハンダ付けをみなさんに挑戦していただきました。ハンダ付けは1~2ヶ所だけの簡単な回路ですが、それでも、初めての体験で、ちょっと恐々ながら、楽しんで頂けたのではないかと思います。
残念ながら、ハンダ付けシーンの写真は撮れていません。余裕がなかったので・・・。

無事ハンダ付けができて、回路が完成したら、今度はチクチク羊毛フェルトです。
作った回路を羊毛フェルトでくるんで、専用のニードルを使って、ひたすらチクチク、チクチクつついて固めていきます。








参加者のお母さんの中には、おうちでよく作られている方もおられるようでした。
お母さんだけでなく、お父さんもかなりの腕前でした。


そして、みなさん、無事完成です。










今回は、いつもとはかなり趣の異なる内容でしたが、参加者の皆様、いかがでしたでしょうか?
お母さんたちに、かなり頑張って頂いていたようですが・・・。

今回、参加者が少なかったので、こういう手芸系は、お子さんたちにはちょっと人気がないのかな?と思っていましたが、本日、参加していただいた皆さんは、それなりに楽しんでいただけたのではないかと思います。

今後も、 たまには、このような手芸系のテーマも入れていこうかと思っています。
たとえ、参加者が少なくっても・・・。

★☆ ★☆ ★ 今後の予定 ★☆ ★☆ ★
日程テーマレベル
7月6日エレキ・カリンバ(楽器)
9月14日ねんどで回路を作ろう
10月5日ヌメロン・マシン(仮)
11月9日ブレッドボードで遊ぼう
12月7日光る星座盤(仮)
※詳細は後日、当ブログに掲載致します。
※日程、テーマは変更になる場合があります。
※参加者の多い樫原小学校など、桂周辺の小学校の行事とは、なるべく重ならないようにしたいと思っていますので、土用参観など行事日程の情報があればご連絡下さい。

にほんブログ村 その他趣味ブログ 電子工作へにほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ
↑最後まで読んでいただいた方はこちらのリンクをクリックしてランキングにご協力下さい。